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連載小説 「壬之御門奇譚(おおいのみかど きたん)」 Act.1 #28

更新日/2023.05.12

踵を返してトンネルの中へと様々な靴の音が響く中進んでいくと、暗かったはずのその中はアクアリウムの様になっていて水槽のトンネルの中を魚たちが泳いでいる中四方八方を眺めながらまっすぐ進んでいくとその先に中庭を挟みながら東屋式の個室の様な内側が見えない部屋が左右に橋を挟んで並んでいた

「ここは、休憩室と相談及び面談室になります。気圧の関係で頭が痛くなったり、精神的に落ちそうになったり、保健室に行くほどではないけれどとにかく休憩したかったり少し休みたいときはここから右側。先生や誰かに相談したいときや誰かに面談をしてほしい時、話を聞いてほしい時はここから左側に進むこと。部屋を使用するときは基本的には部屋の障子を閉めること。基本的には防音機能がついているから外部に会話が漏れることはないが基本的に会話したことや、相談したこと、休んだ時の状態を記入すること、もしくは自動記録媒体が記録することが必須になるからそれは理解をよろしく頼むよ」

「中の状態が見えないのは何かリスクがあるのではないですか?」

「それに関して問題はない。部屋の障子と境界線に金属探知機能がついてあるし、薬物探知機能もついてある。一つ大切なことを言うのを忘れたが基本的に生徒の異性同士の同伴は禁止だ。何かあっては困るからね。もしも異性同士の話し合いの場合は先生や心理士、カウンセラーの誰かも一緒に入ることが条件になる。それ以外は基本的には自由だ。但し部屋にあるものは大切に使ってくれると嬉しい。もし壊れていたら退室時に職員に伝えてくれ。それでは左側から一周回って次に行くので書き物をしている子は手を挙げてくれるか?」

メモとペンを片手にまとめて手をまばらに上げる生徒が5名程いるのを確認した桜雅がありがとう。手を下ろして大丈夫と伝えると花の様に上がっていた手が下ろされる

「書くのはゆっくり各自のペースで大丈夫だ。書き終えたら手を挙げてもう一度教えてくれるとありがたい。みんなは少し待っていて欲しい。話していてもよし、会話を広げてもいい、ゆっくりしていてくれ」

各自頷いて視線をメモ用紙に手をペンへと走らせその様子を満足そうに頷きながら左右をぶらぶらするその視線の橋の先に違うクラスの背中が見え、ぼーっと眺めているとあっという間に終わった様で注目と桜雅が14人に聞こえる声で一つ呟く

「それでは、ここから左側を回って一周した後に書物庫へと移ります。ゆっくりと回るので部屋の中も見て回って確認しておくことをお勧めします。それでは行くとしよう。段差が数段あるので躓いて転ばないように気を付けるように」

→→→ #29へ続く

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