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連載小説 「壬之御門奇譚(おおいのみかど きたん)」 Act.1 #33

更新日/2023.05.30

「待たせるなんて今来たところですよ!」

「それにしても朝霧さんの昼食美味しそうですね…」

「もしかしてそれってさシスタードーナツの新作!?」

「そうなんですよ!桜華爛漫シリーズ大好きで!もしかして明時さんも好きなんですか!?」

「めっちゃ好き!ちなみに僕は甘党!」

そういう彼の昼食は焼き立てのメープルシロップと生クリームやホイップクリームが山の様にのってかかっているワッフルだ。

「冷めないうちに頂くとしようか」

こほんと手を添えながら彷徨がそういうと話す声がいったん止まり合掌して視界をフェードアウトさせて食事を知らせる言葉を紡ぐ

「お前の将来は糖尿病だな」

「きちんと運動もしてるし大丈夫だよ~辛辣だな~相変わらず」

「それ程仲が良いということでは?幼馴染でしょうし」

「そうとも言うかも…それにしても小日向ちゃんのパスタおいしそうだね!」

「とっても美味しいんです!ココノパーパのパスタ!まさか校内にあると思っていなかったのでとっても嬉しいです!六條さんのお蕎麦もおいしそうですね」

「雪代のお蕎麦とても好きで私も今小日向さんと同じ思いです。久しく食べていませんでしたが…これで毎日頂けると思うと嬉しい限りです!」

「それにしても物部さんは何を食べてらっしゃるんですか?」

「ベーグルだ。」

ベーグル。その一言で会話をしていた全員が固まり、幸鳴だけはぶっという声と共に腹を抱えて笑っていた

「…?何だ?何故全員して固まっている?」

「い、いや物部君がベーグル食べているのが少し意外でしたので…つい」

「そうか?だが意外な一面はこれから割と色々なところで出てくるだろう。そんなに驚くことではないと思うぞ、幸鳴が甘党なのも正直驚きだろう朝霧」

「え!?あ、は、はい…なんていうか想像がつかないというか…び、びっくりです」

「あっははは…でもよく言われるよこの見た目にこのテンションだからね…ただ甘いものは正義だからねぇ…ないと生きていけないよ。でも朝霧ちゃんとは会話できる話題が出来たと思えば嬉しい限りだよ。後でおすすめのお店あったら教えてね」

「!…是非!こちらこそです!」

食べ終えたものから順に終えてすぐに返却口にトレーを戻し個室に戻り座る

「そういえば自己紹介をしていなかったな…ここではしたが小日向が来てからはまだだったかそれではするとしよう。俺は物部彷徨。宜しく頼む」

「次は私が、六條鞘と申します。入部予定の部活は弓道部。皆様とはお近づきになれましたら嬉しい限りです。一年間宜しくお願い致します」

「んじゃあ!次は僕が!明時幸鳴です!得意教科は体育で呼び方は自由に呼んでくれたり気軽に絡んで貰えたら嬉しいです!一年間よろしく!」

「こ、小日向由です。と、得意教科は美術…です。そ、その宜しくお願いします」

「あ、朝霧楓花です。み、皆さんと仲良くなれたり、そ、その…友達になれたら嬉しいです…い、一年間宜しくお願いします」

「何言ってるの、六條ちゃんも朝霧ちゃんも、もうこうやって卓を囲んで話したりご飯食べた時点でお近づきになれたし、僕的にはお友達だと勝手に思ってたけど?」

「まだ出会って間もなくそう思うのも無理はない。だが一介のクラスメイトよりかは近づけたと思うのは本当の話だ。友達ともいえる関係になれそうな気がするし、幸鳴の言う通り友と言ってもおかしくはない。仲や絆はこれから深めていけばいい。まだ一日目なのだから」

目を瞑って紅茶を優雅に飲みながら言う彼の言葉に、にやつきながら良いこと言うじゃんと茶化したが、雰囲気自体も言葉によって暖かくなり女性陣の口元に笑みが零れる

「そう、ですね…ふふっ…そう致しましょう」

「話したいのはやまやまだけどいい感じの時間だねぇ…そろそろ集合場所に行こうか」

 

→→→→ #34へ続く

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