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連載小説 「壬之御門奇譚(おおいのみかど きたん)」 Act.1 #10
更新日/2023.03.07
真っすぐ奥にある城の様な宮殿の様な遠いその場所を一点に見つめながら言うとでは行こうかと稲童丸が少し頬を緩めながらはぐれないように付いてくるようにと横目に言うと先導するように今度はにぎわう声が聞こえる方向へと歩みを進めて石畳を一段一段重ねて踏み進めていくと人々が花道を作るかのように待っていて気付いた手前の人が来ましたよー!と明るく手を大きく振りながら言うとこちらの方へと視線が集まって声をかけた人の元に稲童丸が近寄って互いに会釈をする
「薫ちゃん久しぶり!」
「お久しぶりです幽谷さん…」
にこにこしつつうんうんと頷いてたものの視線が楓花の元へとバッと向いて一瞬敵に見つかった獲物の如く背筋がビクッとする
「後ろのその可愛い子はもしかしてこの前話していた新入生?」
「えぇ、方々新入生をお連れしました!温かい拍手と声援でお迎え下さい!」
稲童丸のどこか誇らしげで嬉し気な聞いたことがないような声が響き渡ると一気に場が沸き上がって歓声と入学を祝うような温かい声と甲高い拍手が空高く響き渡って空から花びらが舞い踊り人々が作った花道の真ん中を稲童丸の後に続いて歩く人はかくも温かいものなのか改めて実感するこの違和感が少し怖くなりつつもあるが嫌ではない違和感だった
花道を歩きながらそのまま坂を上がって宮殿の様な城塞の様な門の前にたどり着く
「ここが壬之御門学園校門前だ…基本的に入り口の朱雀御門からこの坂をまっすぐ上ってくれば学校はすぐにたどり着ける。」
「お城…みたいですね…」
「基本的にこの壬之御門城塞都市は国境というものはございませんの。基本的に誰でも好きなように自由に幸せに暮らせる城塞。それが壬之御門城塞ですわ…その中でも壬之御門学園の形状は朝霧さんが言っていた通り日本。即ち和がイメージなのです」
そう言いつつ門番に神楽が学生証の様なホテルのルームキーを見せるとおかえりなさいと門番が優しく声をかけ中へどうぞと城の中へと促す
「もしかして君は新入生かな?」
声をかけられて足を止めて小さくそうですと返すと嬉しそうな暖かな笑顔の花が咲いた
「ようこそ壬之御門学園へそしておめでとうございます。めいいっぱい楽しんでくださいね!素敵な高校生活になりますように」
お礼の代わりにぺこりと一礼するとそのまま門をくぐってそのまま真っすぐ広くなっている奥へと歩みを進めると竜宮城の様などこか神社や寺を思い出させるような作りの建物が広まり美しさのあまり呆気に取られて立ち尽くしてしまう。本当に絵にかいたような美しさと幻想的な空間過ぎてここは極楽浄土なのでないかと錯覚しそうになるが頬をつねったり顔を叩いても痛いので現実なのだなと再実感するが見ていた星月があわあわしてぎょっとしながら隣へ寄ってくる
「楓花さん…大丈夫ですか?」
「痛いけど大丈夫…ちょっとあまりにも綺麗で素敵すぎて夢とかじゃないかなって思ってしまっただけです」
「無理もないよねー僕も最初来た時びっくりしすぎて入学式遅刻しそうになったし」
「私も入学式の時この光景に四季の前から涙が止まりませんでしたわ」
「そうるのも無理はない…朝霧これを天から君に」
そう言いながら胸ポケットから綺麗な装飾が施された箱が一つ手渡されてお礼を一つ言った後に開けると先ほど見たような透明なホテルのルームキーホルダーと翡翠色のブローチだった。
「ルームキーホルダーみたいな縦長の棒は君の学生証になる。それが校門の通行証になる。色や装飾に関しては次第に個人や個性人柄趣味などの傾向を分析した上で段々と着いていくものだから変化を楽しんてくれ。そしてもう一つのそのブローチは新入生である証拠で入学式や学校生活では学年がわかる物でつけるのは必須になる。ブレザーにつけておくことを忘れぬように」
「わかりました」
そういうと箱を臨時で落とさないようにポケットに入れてブレザーの襟の部分につけて箱を手に持つ
「基本的に校内は土足になる。靴のままそのまま中に入って標識があるからその標識通りに進んでくれればつくから教室に行ってくれひとまず我々とはここでお別れだ」
「ここまでありがとうございます。稲童丸さん、巴さん、雅さん、そして朱雀さんも」
「そんな良いってどうせまたすぐに会えるから」
「また終わったらこちらでお待ちしています故にお別れは一時だけですよ」
「そうですわ!迷惑でなければ私と終えた後にでもお話しましょう」
「!…はい喜んで!」
「さて時間も時間だ。朝霧行ってくるといい」
→→→ #11へ続く