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連載小説 「壬之御門奇譚(おおいのみかど きたん)」 Act.1 #30

更新日/2023.05.19

踵を返して右側の中央にある渡り廊下をまっすぐ進んでいくと少し照明が暗くなり、大きな門が少し遠くに見えてきてそのままワクワクする気持ちと少しの緊張を胸に足を進め続けるとあっという間に門の前につくと再び袖の中から水晶盤を取り出して中心にある溝へとはめ込むと翡翠色の回路が門を駆け巡り模様が描かれて、暗かった証明が少しづつ段々と明るくなり、一瞬明るすぎて目を逸らす白さに包まれて目を開いて視界を戻すと扉に

回路が描いた模様が刻まれており、鍵がガチャっと音を鳴らし、水晶盤を内に秘めて桜雅が扉を二回手の甲で鳴らすと扉がぎいぃと重たい音を鳴らして内側から開かれる

「ついたね。ここが書物庫だよ。皆少し中央部まで入ってくれ」

手を招きながら奥へ奥へとつられるように進んでいく。天井には果てしなく続く様な空とそこに存在するかのような太陽光の様な自然な木漏れ陽が温かく館内を照らし、和を感じさせるような木の香りが優しく香り、円形の不思議な館内の中央の空白のスペースで桜雅が立ち止まる

「ここが書物庫になります。この書物庫は中学院及び高等院そしてその関係者である教職員や精神科の先生やカウンセラーの先生も使用する日本の高校の中で一番広くて完備している本の巻数が多い書物庫だ。先ほども言ったが早朝の5時から門限の22時までいつでも使用可能だ。具合が悪かったり精神的にしんどかったりする時には書物庫での勉強やオンラインでの受講も可能だ。」

「オンラインでの受講って…個室とかもあったりするんですか?」

「良い目の付け所だ…そう各階学年ごとに個室は設置してある。机だけでなく見てのとおり畳などもあるので気軽に自分の座りやすく勉強しやすい場所で勉強したり本を読んだりできる。但し飲食は出来ないからそこだけは気を付けてくれ。閲覧禁止エリアは勿論入ってはならない入ってしまったらどうなるかわからないからね...それと書物庫だから走り回ったり、大きな会話もできるだけ控えてくれ。では一階から三階まで見て回るとしようか」

「先生、閲覧禁止エリアに入ったらどうなるんですか?」

「そうだねぇ...退学は免れないだろね…そのあとの事は私にはわからないけれども…せっかくこうして出会えた縁なんだから君たちから切り離すようなことはしてくれるなよ?」

「こっわ…それだけは勘弁だわー先生もね?」

「ははは…面白いことを言うなぁ…誓って私はそんなことしないさ」

ゆっくりと段々と質問や会話が増えてきながら、メモを取る時間を交えて途中で辰どまりながら館内を回っていく、一回は主に文庫本や小説、そして伝記やライトノベル、二階は図鑑や専門的分野であり、三階は勉学や哲学などに関する本が並べられていてあっという間に長いように感じたけれど瞬く間に三階まで全ての階を一周し終えて、三階の中心の扉から中階段を数段降りると素敵な音色が聞こえてくる導かれるように音の鳴る方へとどこか軽やかに足を進めると再び中庭を挟んだ四角いエリアに到着する

「ここは専門的分野に関する授業を行う部屋になる。主に、音楽室、技術室、美術室、家庭科室の四つだ。この四つに関しては必須科目ではないが四つの中から一つ選択して選ぶ選択科目になる。選択科目に関しては一年から三年までで毎年どの教科を選択するのかを全員に聞くから、一年音楽、二年美術、三年家庭科みたいな形で毎年違う教科を選択してもいい。選択する教科に関して決まりはないからそれぞれ好きな教科を選択してくれ…それでは行こうか。授業の出席確認に関しては相談室の時と同じであそこに縦長のモニターがあるのがわかるかい?」

廊下を左側に曲がって縦長の廊下の教室の入り口の反対側の廊下にあるそれを指を指しながら目線を生徒たちに向けるとそれぞれ反応が返ってくる

「あの縦長のモニターが各教室の前に一台ずつ置いてあるからやり方は教室に入るときと同じやり方だ。出席確認をするとカギがかけてある教室の鍵が開くからそれで出入りしてくれ。必ず各自水晶盤は忘れないようにそれだけは宜しく頼むよ…ないと部屋にも教室にも入れなくなるからね…中は今は授業中だから見れないけれど楽しみに中身は待っていてね?…それよりも歩きっぱなしで疲れていないかな?」

「あ、あの…すみません…少し疲れました…」

「全然大丈夫だよ!寧ろ言ってくれたことに感謝だ。それでは時間が経つのが早いね、もうお昼ごろだ…時間も時間だし休憩するとしよう。それでは大広間にいったん移るとしよう」

階段を一階まで降りてそのまま中央部の長い廊下を進んでいくと書物庫よりも大きな扉が待ち構え目前にたどり着くと内側から自然に扉が開き円卓や、ドーム型の個人席、ソファ席や色々な席が用意され、広大な天井が吹き抜けでガラス張りになっている空間が広まっていて、両端に色々な店が並んでおり、先に既に三年や二年が入ってそれぞれにゆっくりとにぎわう暖かい声と共に自由な時間を過ごしていた

「ここが大広間だよ。大広間って言ってもみんなで一つの卓を囲んで食べなければならない訳ではない。中には大勢で食べるのが苦手な人もいると思うし誰かと食べたい人もいると思うからね…基本的に昼休みは12時から13時までと決まっているがその時間の使い方はそれぞれ自由だ。故にそれぞれ自由に気持ちよく使い過ごして欲しい」

「あ、あの昼食は食亭ではないんですか?」

「食亭は基本的に寮の管轄になるから基本的に朝食と夕食は食亭で。学園にいる間と昼食はこの大広間で過ごす事になっている。そこの違いを説明していなかったね…いいところに気づいてくれた。食事に関しては左右の壁際に色々な店が並んでいるからそこから食べたいものを選んで自由に食べてくれ。席も好きなところで座ってくれ。それではこの中央部に12時55分ごろにまた会おう。それではゆっくり素敵なひと時を過ごしてくれ」

→→→ #31へ続く

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