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連載小説 「壬之御門奇譚(おおいのみかど きたん)」 Act.1 #29

更新日/2023.05.16

そう言いながら桜雅は体を生徒たちに向けたまま歩くよりも少しゆっくりのペースでバックしながら歩き始めて楓花達も後に続くようにゆっくりまわりを見渡しながら足を進める

見渡す限りの和式の綺麗な装飾の施された襖や障子そして寄せ木細工に目を奪われながらコツコツと数多の音色を奏でる木式の床に耳を寄せながら歩くと廊下の分かれ目に二つの縦長のモニターが並んでいて先生と一人の生徒が呼び止める

「なんだい?花車」

 

「この二つのモニターってなんですか?」

 

「この二つのモニターはね、相談室と休憩室の部屋の空室と使用状況。各部屋に何名いるかを確認できるものだ。空室の場合。こんな感じで空いている部屋は何も表示されない。だがもう一つ先の部屋を比較してみて欲しい」

「二つ印があります。それと部屋のマークが緑から赤に…」

「その通り、良いところに気づいたね満点だ。部屋をしている場合部屋の外枠が緑から赤くなる。そして使用している者の代わりに出てくるのが皆わかった通りこの二つの印だ。この二つの印は、ここに皆持っているこれに記されている」

そう言いながら羽織の袖の中から物を取り出して全員に見えるように顔の高さまで上を上げて見せる

「水晶盤か…」

「その通り、水晶盤は個々の性格や雰囲気、持ち得るそれぞれイメージカラーによって色や形状、そして中に刻まれる模様も変わってくる為、刻まれる模様は多種多様であり誰一人として被ることはない。故に名前を表示するのは避けたいと考えた天は代わりに水晶盤の模様を表示する事を提案した。名前が表示され残ると相談しにくいし、個人的にもあまりいい気分はしないだろう?そんな感じで、ここで空室状況と使用状態、部屋にいる人数も確認できるようにしたというわけさ。ちなみにそれぞれの部屋の入り口と出口も鉢合わせないように全室別の向きにしてあるからそこの気まずさも回避できるようになっている。ちなみに相談室は五部屋、休憩室も五部屋ずつ各学年の階にあるから気軽に使っても大丈夫だ」

「確かにこれならば…相談しやすいかもしれません。」

「是非何かあった時や保健室に行くほどでなくともしんどいと思ったときは活用してくれ。中にベッドや横になれるための布団も完備してあるし、起きれないのが心配な人のために目覚まし機能もついてあるからね、違和感を感じた時、おかしいなと思ったタイミングで使用するのを先生的にはお勧めするよ。さてでは、進んでいこうか

そういうと再びバックしながら廊下に靴の音を響かせて歩き始め、空室の部屋の中を歩くながら確認すると白亜がベースの一つの書斎と寝室と応接間が一つの部屋に濃縮された不思議だが居心地のよさそうな部屋でどこか落ち着く香りがほのかに鼻孔をくすぐり安心感を誘いほっとしながら置いていかれないように後にきちんと続くように歩く足はまっすぐ進めて角を曲がって外見が紅色の装飾が施された右側の休憩室の方へと移る

「先生、相談室と休憩室って中の状態とか形状って違うんですか?」

「基本的には中にある物や部屋の作りに関しては変わらないが、学年ごとに中にある物は違うかな。相談しつつ休憩したい人もいるし、相談している途中で疲れてしまって休憩したくなる人もいるからね。いつ何が起きて精神的にも身体的にも何が起きるのかわからない。そういうもしもを考えて中身に関しては同じようにしている。もしもこれを取り入れた方がいいんじゃないかっていう物やアイディアがあればいつでも言って欲しい。出来るだけ取り入れられるようにするよ…それでは一周したのでこの先にある書物庫へと移ります。書物庫の前知識として書物庫とは言えどみんなが知っていることの図書館や図書室と大差変わりない。書物庫は一階から三階まであり、どの階からでも入れるようになっている。エスカレーターだけでなく、階段やエレベーターもあるので足が悪かったり、体に不自由がある人にも対応している。基本的に書物庫は早朝5時からの門限である22時まで解放されているので生徒や教職であればその時間であればいつでも使用できるので、使用したいときはいつでも使用してほしい。それでは移動するとしよう」

 

→→→ #30へ続く

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